賃貸併用住宅について

こんにちは、プレイングハウジングの蓮中です!
不動産にまつわる話をみなさんにお伝えして、業界をもっと知っていただこうと日々奮闘しています♪

今回、最近は大手不動産会社が参入したことで巷を騒がせている賃貸併用住宅についてお話していきたいと思います。

通常家を買えば、ローンの返済がありますよね?

しかしながら、賃貸併用住宅で上手くいけば、ローン返済なしで月々収入を得ることができるというお話です。

本当にそんなうまい話があるのかって所を不動産業界にいる私が解説していきたいと思います!

賃貸併用住宅とは?

簡単に言えば、自宅の建物の中に賃貸住居を備えた物件のことです。

賃貸併用住宅のイメージ

イエノミカタ|プロが教える「賃貸併用住宅」

イメージはこんな感じのお家です!

小さな土地でもOKな縦長の賃貸併用住宅もあります。

狭い土地でも賃貸併用住宅

こんな感じですね!
自宅と賃貸マンションをくっつけた様な作りになっています。

相続税対策で注目されている

賃貸併用住宅は、商品化された時にせっかくのマイホームを賃貸マンションと併用するなんてもったいないとか、マイホームドリームを持つ日本人には合わないという非難の声が多数ありました。

ここ最近は、相続税対策という面で注目を集めていているようです。
通常の物件を相続するよりも、「小規模宅地等の特例」を適用できるため、相続税がグッとお安くなります。

賃貸併用住宅のメリットとデメリット

それでは次に賃貸併用住宅のメリットとデメリットを見ていきましょう!

賃貸併用住宅のメリット

相続税対策
先ほど紹介した相続税を下げることができるというメリットです。
家賃収入
通常の家を買う場合とは異なり、賃貸で貸すことで月々の収入を得ることが可能です。ローンの支払いが家賃収入を超えている方もいらっしゃるようですね。
賃貸なのに住宅ローンが使える。
銀行によって違ってきますが、住宅ローンを使用することでローンの支払いを抑えることができますね。

賃貸併用住宅のデメリット

建設費の増大
通常の自宅を建設するよりも、3~4倍の建築費が必要になります。多額のローンを組むのは、腰が引けてしまうかもしれませんね。
空室リスク
空室が出てしまうと家賃収入が入ってきません。賃貸で100%満室になるとは言えませんから、リスクがあると言えますね。

建築シミュレーション

建築シミュレーション

実際に建てた場合にどのくらいの収入が見込めるのかを見ていきたいと思います!

簡単な例ですので、目安程度にお考えください。

自宅のみを建設した場合

  • 建築費用 :4000万円
  • ローン期間:30年
  • 金利   :2.5%

月々のローン返済額・・・ 158,048円

賃貸併用住宅を建設した場合

  • 建設費用 :1億円
  • ローン期間:30年
  • 金利   :2.5%

月々のローン返済額は・・・ 395,120円

賃貸併用住宅のローン支払いは、驚くほど高いですね!!
ただし、賃貸の家賃収入を計算に入れていきます!

家賃収入例

  • 戸数  :5戸
  • 家賃  :8万円
  • 管理費 :5000円

月々の家賃収入は・・・ 425,000円

満室の場合には、425,000円−395,120円= 29,880円

ざっくりした計算ですが、もう少し家賃を上げれば、3万円~10万円くらいの家賃収入を得ることができる見込みです。
そこから、税金や維持費を引いていきます。ドンドン手元に残るお金は少なくなります。

しかしながら、住宅を建てて、ほとんどローンを支払うことなく、マイホームを得ることができる仕組みになっています!

賃貸併用住宅 本音の話

ここからが、不動産会社勤務の私の本音の話をしていきます。

まず知ってほしいのは、賃貸併用住宅は、不動産投資であることです!
リスクが高いということを知らなくてはなりません。

家賃を保証した借り上げの落とし穴!?

例えば、15年間一括借り上げで有名な上場企業さんがいらっしゃいますね。
実際、不動産というものに関わってくると満室経営というのがいかに難しいかが分かります。

建物が古くなっていく中で、15年間ずっと同じ家賃を維持するというのは、無理があることは誰でもわかるはずです。
一括借り上げをしたとしても、家賃設定は、借り上げた会社が行う場合が多いんですね。
どんどん家賃を下げていって、ローンの支払い額が家賃収入を上回って、結局手出しのお金が必要になります。

一括借り上げは、訴訟問題が多いです。まともに考えれば、何年もずっと家賃を完全に保証する仕組みが存在するわけがありませんよね。

賃貸併用住宅は、家賃を保証する仕組みとセット販売されていることがありますが、契約内容に注意が必要です。

  • 契約の解除要件はなにか?
  • 家賃設定金額は、オーナーと不動産会社のどちらに決定権があるのか?

などなど、しっかりと把握した上で契約してもらいたいと思います。

修繕費用の話が出てきてないですよね?

マンション修繕

賃貸併用住宅についてのコラムをいくつか見させていただきましたが、意外と修繕費用について詳しく書いている所が少なくて驚きました。

修繕費用は、内装工事と外装工事(大規模修繕工事)の二つに分かれてきますが、どちらも安くはありません。

内装工事

まずは内装工事についてです。

入居者の人が退去した後、次の入居者のために内装工事が入りますよね。内装工事に費用は、ファミリーマンションで40~50万円くらいではないでしょうか。もちろん、会社によって費用は変わります。
ただし、不動産会社に頼むと見積もり額は高くなります。工事会社との間で不動産会社の取り分が上乗せになりますから、、、

そして、内装工事については、二つのパターンがあります。

  1. 入居者が退去してすぐに内装工事を入れるパターン
  2. 新しい入居者が決定してから内装工事を入れるパターン

不動産会社は、②のパターンで説明をする人が多いです。
なぜなら、新しい入居者の人が敷金礼金、前家賃、日割り家賃などをすぐに払ってくれるので、内装工事代のお金を懐から出さなくていいからです。
「入居者さんが決まってから、内装が入ります。費用は入居者さんのお金でまかないますから、安心ですよ」というのが、不動産投資に詳しくない人へのトークになります。

実は②のパターンは理想的ではありません。
どうして②だとあまり良くないのかというと、「内装が入っていない部屋は入居者が選ばない」という点と「クレームが出る可能性が高くなる」という点です。

汚い部屋だと部屋の見学をしても入居を決めるのに迷いますよね。よっぽどいい部屋なら話は違いますが、、、

そして、内装前だと入居が決まって、入居者さんが部屋に入ってみると思っていたのと違ったということがあります。こうなるとクレームになることがあります。

通常は、先に実費で内装代を払ったほうが、新しい入居者さんが決まりやすく、クレームになりません。

少し話が横道にそれましたが、内装費用はオーナーが負担することになるということです。
最近では、敷金礼金なしの賃貸が主流になりつつありますから、初期費用はどんどん下がってきています。
しかも、不動産会社に払う成功報酬(広告料)もありますので、入居者が入れ替わるたびにお金が出ていきます。

例えば、3部屋退去をしてしまうとすると、40万円×3で120万円です。新しい入居が決まれば、そこに不動産会社への成功報酬として8万(家賃)× 3で24万円が必要になります。
しかも、3部屋分の家賃収入はなくなり、ローンの返済に追われることになるでしょう。

外装工事

次に外装工事についてです。大規模修繕工事とも言いますね。

マンションはコンクリートでできているため、絶対に劣化していきます。
塗装は剥がれて、屋上や廊下の防水も機能していかなくなります。
放っておくと、漏水や崩落といったトラブルになることがありますね。

マンションは15~20年ほどで大規模修繕工事を施すタイミングがやってきます。
つまり、30年ローンとかだと大規模修繕工事は避けられないということです。

一般的な目安として、戸数×100万円と言われていますね。
あくまで目安です。もっと高い業者もいれば、安い業者もいますし、マンションの規模によって変わってきます。

私の経験上は、コンクリート造のマンションで小さくても200~400万円くらいかかるとは思います。

これはオーナーさんが負担することになりますよね?
大規模修繕工事のために家賃収入からコツコツと費用を貯めておく必要があります。

ローンの返済とマンションの維持費(管理会社や不動産会社への費用と内装費、税金など)を払いながら、15年ほどで200~400万円貯めることになります。

15年×12ヶ月×2万円で360万円ですから、月に2万円ずつ貯蓄していけば、支払えることになりますね。

しかしながら、マンションを維持するのは細々した費用が多くかかってきます。
その中で月々積み立てていると普通に自宅を建ててローンを支払った方が得なのでは?と思ってしまう方もいるようです。

最後に売却ってできるの?

賃貸併用住宅の売却

賃貸併用住宅は、まだまだ世間に浸透しているとは言い難い状況です。

私自身の意見ですが、本当に売却できるの?という疑問がかなり大きいです。

賃貸併用住宅について色々と言われていますが、私としては一番気になる所が売却できるのかどうか、流動性があるのかという点です。

ローンを払い終わって売却して、利益を得たいと考えられている方も多いとは思います。

一般的な自宅なら売却をして、どこかが買って、取り壊して、駐車場にしたり、マンションやアパートを建てたり、土地のまま売ったりとできますよね。

賃貸併用住宅では、住んでいる人がいますから、取り壊すにしても退去等の問題が生じてきます。

トヨタホームさんが賃貸併用住宅に参入するのは、業界ニュースで取り上げられていましたが、ゼロから建てるから利益が出るわけですよね。

普通に投資と考えれば、賃貸併用住宅は利回りが良い物件ではないです。投資するなら、普通の賃貸マンションかアパートを買った方が得だと思います。

売却する際に賃貸併用住宅を買いたいという人は、それほど多くないのではないでしょうか。
自宅と住めるし、賃貸収入も得られるという点では、真新しい感じがしますが、住まいとしても、投資用賃貸物件としても中途半端な物件であるというのが私の意見です。

まとめ

賃貸併用住宅とは、「自宅と賃貸物件が一体化したもの」

賃貸併用住宅のメリット

  • 税制のメリットがある。
  • 住宅ローンを使える。
  • 自宅に住みながら、賃貸収入を得ることができる。
  • ローン返済を賃貸収入で補うことができる。

賃貸併用住宅のデメリット

  • 建築コストが高い。
  • 空室リスクがある。

実際に満室にすることができれば、家賃収入がローン返済額を上回り、実質ローン返済なしで自宅と賃貸マンションを手にすることができる。

不安な点

施工会社の一括借り上げ、家賃保証システム
実際は、訴訟になるケースが多く、施工会社が家賃をずっと払ってくれると任せっきりにするのは危険!
契約の中で、契約解除の要綱や家賃設置は誰が行うのかをしっかりと確認すること!
維持費の問題
維持費は、管理料、修繕費、税金などなど様々な費用がかかることになる。
最近は、敷金礼金といった初期費用を下げる風潮があり、入居者から修繕費用は取りにくくなっている。
内容費用はファミリー物件なら30~40万円ぐらいかかる。
→3部屋同時期に退去すると120万円くらいかかることになる。
外装、大規模修繕工事なら、300~1000万円くらいかかることがある。
マンションは15~20年くらいで修繕が入るので、避けられない。
しっかりとした修繕計画を立てて、月々積み立てをしておく必要がある。
売却のリスク
まだ事情で安定して供給されていない賃貸併用住宅は、売却する際の需要があるかどうか分からない。
投資的な観点で見れば、一般的な投資用物件の方が利回りが良いものが多い。

最後に

いかがでしたか?

賃貸併用住宅は、これから人気が高まる可能性が分野です。新しい商品であるため、まだまだ内容が業界の外に浸透していないように感じます。

自宅であるということだけでなく、不動産投資であるということをしっかりと認識した上で検討する必要がありますね。
後半、あまり良いことは書いておりませんが、しっかりと計画を立てて、空室リスクを考慮した上で、賃貸併用住宅を建てるのは、すばらしい投資だと思います。

ローンを払わずに自宅と賃貸マンションを手に入れるという夢のような形を目指して賃貸併用住宅にチャレンジしてみるのもいいかもしれませんね!

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